前回は、明るさに応じて、LED を点けてみたものの息子の反応がイマイチ。息子にとって、LEDは、Arduino で点灯するのが当たり前の存在のようです。

ということで、今回は、豆電球をつけてみることにしました。で、さっそく、LEDの変わりに豆電球をつけさせてみました。まず回路図です。



実際に組んだものがこちらになります。



プログラムは、前回と同じものを使います。すでに書き込まれているので、あらためて書き込みをする必要はありません。



さて、豆電球が点くか試してみましょう。



う~ん、点いたもののかなり弱々しい光ですね。それもそのはず、豆電球を点灯させるには、200mA程度の電流が必要です。『Arduino でモータを動かす』 の回でも説明をしましたが、Arduino のポートから供給できる電流はせいぜい 40mA 程度。なので弱々しい光になってしまっているのです。

今回も、200mA の電流を流すためにトランジスタの力を借りましょう。今回は、モータほどの大電流は必要ないので、電子工作でもっともよく使われる 2SC1815 を使います。


シリコントランジスター 2SC1815-GR 10個

  • 出版社/メーカー: 東芝
  • メディア: エレクトロニクス



トランジスタには、エミッタ(E)、コレクタ(C)、ベース(B)と三つのピンがあります。並び順は、左から『えくぼ』と覚えます。トランジスタには重要な特性として、『hfe』 というものがあります。これは、ベース(B)に流れる電流を何倍にするかの係数です。

今回使う 2SC1815 の hfe は"100" 程度です。ベース(B)に 2mA 流せば、200mAを得られそうです。下記の図に、簡単な構成を示しました。ベース(B)に、2mA 流すと、コレクタ(C)からエミッタ(E)に 200mA の電流が得られます。この間に豆電球を置けば、力強く点灯しそうです。



ベース(B)に、2mA を 流すために、小学生でも知っている 『オームの法則 V = RI』 を使って抵抗値を計算できます。ただ、ベース・エミッタ間には、必ず 0.7 V の電位差がありますので、そこに注意して計算します。

また、トランジスタを使う時に注意しなければならないのは、Arduino のポートが、『High』から『Low』に変化するときの電流の流れです。この時、コレクタ(C)からベース(B)に逆流してくる電流が発生しますので、それを逃してやるために、10kΩの抵抗を追加します。




これをもとに回路を設計してみました。豆電球を点灯させるだけなのですが、思ったよりも大がかりになってしまいますね。^^;



この回路図をベースに、息子に回路を組ませてみました。こんな感じです。



分かりやすくするために、もう少し拡大しましょう。



さて、豆電球は光輝いてくれるでしょうか?



おっ、点いたようです。今回は、トランジスタの働きをよく理解してもらうため、豆電球を使ってみたけど、分かってくれたかな?






Arduinoをはじめよう 第2版 (Make:PROJECTS)

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  • 発売日: 2012/03/16
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定本 トランジスタ回路の設計―増幅回路技術を実験を通してやさしく解析

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  • 出版社/メーカー: CQ出版
  • 発売日: 1991/12
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