先日、仕事で疲れて帰ってテレビをつけたら、モーガンフリーマンの「時空を超えて」がやっていました。私が大好きな番組のひとつです。だいたい知っているような内容ばかりなので”ながら見”する程度なのですが、先日の番組はちょっと変わった視点でびっくりしました。



http://www4.nhk.or.jp/P3452/


題名は「海は思考するのか?」。きっと生物の起源は海とかそういう内容だろうと思ったのですが、まったく違いました。まさに題名通り!海は知的生命体か?ということを検証しようという内容でした。ちょっとぶったまげました。





内容も眉唾なものではありません。はっきり言うと大半はどうでもいい内容だったのですが、私が興味を持ったのは海底の嫌気性の水棲細菌のふるまいです。

哺乳類をはじめとした酸素を呼吸する生物の多くはミトコンドリアが生成するエネルギーで生命を維持しています。ミトコンドリアは糖を分解して余った電子を酸素に預けて水にして放出します。つまり呼吸するとは、ミトコンドリアが電子を酸素に預けて放出する過程のことに他なりません。



http://www.seibutsushi.net/blog/2008/12/643.html


一方、嫌気性の水棲細菌は激しい化学反応をする酸素を嫌います。かわりに水溶金属を酸素替わりにエネルギー代謝に使っています。

そこで、ある科学者が金属がまったく溶けていない水の中で水棲細菌がどうなるか試してみました。当然、死滅すると思われたのですが…。





なんと、水棲細菌どうしが細かい毛のようなものを縦横無尽に張り巡らしつながり、しぶとく生き残っていたのです。どうもお互い電子の受容体を融通することで代謝を実現していたようです。この構造に非常に似たものがありますよね。そうです、私たちの脳です。





酸素が十分に届かない海底には嫌気性の水棲細菌がうようよしています。しかも穏やかな海底の泥の中は十分に金属が循環しない可能性が大きいです。二酸化炭素が濃いところにいるようなものですよね。

そのようなところの水棲細菌はお互いがつながり巨大なネットワークを作っている可能性が高いです。それは、何かしらの知性のようなものをもっていてもおかしくありません。

いやー、まったく新しい視点ですね。海底には知性をもつ巨大な怪物が潜んでいる。ちょっと怖いですけど、ロマンがありますね!
(^^)/~





ミトコンドリア・ミステリー―驚くべき細胞小器官の働き (ブルーバックス)

  • 作者: 林 純一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/11/20
  • メディア: 新書



代謝ナビゲーション ミトコンドリアを中心とする代謝ネットワーク

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: メディカルサイエンスインターナショナル
  • 発売日: 2017/10/10
  • メディア: 単行本



海のトワイライトゾーン-知られざる中深層生態系 (ベルソーブックス 34)

  • 作者: 齊藤 宏明
  • 出版社/メーカー: 成山堂書店
  • 発売日: 2010/03/28
  • メディア: 単行本