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【祝】スペースX 有人宇宙船打ち上げ成功!日本の宇宙開発の未来は??? [トンデモ学説]

スペースXが有人宇宙船の打上成功につづきISSへのドッキングも成功させました。民間初の快挙です!NASAからの受注なので商用というわけではないですが、民間組織がゼロから開発ですから凄いですよね。


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https://www.spacex.com/vehicles/dragon/


ブースターロケットも自分で着陸して再利用しちゃうんですから、技術面でもコスト面でもスペースシャトルを遥かに凌駕しています。

日本もH3の導入が間近ですし、イプシロンも運用されはじめ、衛星や物資の輸送コストがどんどん安くなり負けていません!ということで、日本の宇宙開発の今後の展望について少し調べて見ました。


JAXAにおける宇宙輸送に関わる取り組み


■ 日本の基幹ロケットはH3とイプシロンに
"H3" は2020年後半に試験機1号、2021年中盤に試験機2号が打ち上げられるようです。機体価格は従来の半分以下の50億円。現在のイプシロンと同等の機体価格です。


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しかも個体ロケットブースターはイプシロンと共用できるように設計し、イプシロンの機体価格は30億円まで低価格化。これは新しいビジネスが生まれそうですね。通信など宇宙空間を利用したサービス産業が増えそうです。それに伴い衛星開発のビジネスも活性化しそう。


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■ 再使用型輸送システムの研究を推進
スペースXは第一弾ロケットの再利用が注目されましたが、日本も再使用型宇宙輸送システムを研究しています。当初、スペースシャトル型の有翼往還機「HOPE-X」を検討していましたが2000年前半に凍結。


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その後、再使用・観測ロケットの研究を実施していましたが、2015年頃に技術実証が終了しています。


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ただ、この研究成果は現在の”再使用ロケット”「CALLISTO」に継承されています。「CALLISTO」は平たく言うならスペースXが実現した再使用ロケットの実験機です。こちらはなんとフランス(CNES)、ドイツ(DLR)との三カ国共同プロジェクト。


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「CALLISTO」は2022年にギアナ宇宙センターで高度30km 飛行試験を行うそうです。その頃、スペースXは火星への物資輸送準備を進めている頃でしょうか。民間企業のスペースX1社が成し遂げたことを三カ国の国家研究機関が後追いをするというシュールな構図。

この分野では日本勢の迷走っぷりが伺えます。ここはアイディアの後追いとかじゃなく思い切った発想の転換がほしいところだなぁ。



■ LNG推進系で日本はトップランナー
JAXAはLNG推進系の開発も進めています。狙いは燃料の圧倒的な低コスト化と安全性向上です。なんと日本はこの分野で世界トップレベル!


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ただ、一番の欠点は燃料が重いこと。水素燃料に比べ6倍重い。なので、軌道間輸送、軌道ー月面輸送や、ロケットの二段目エンジンでの活用が考えられているようです。



■ 民間との共創型プログラム「J-SPARC」
JAXAが民間の宇宙輸送機事業を技術支援するプログラムです。次のベンチャー企業との共同開発が進んでいるようです。

(株)スペースウォーカー
再使用型有翼ロケット実験機の開発

spacewalker.png


PDエアロスペース(株)
ジェット燃料・ロケット燃料の切り替えを行うエンジンを有した有翼ロケット実験機の開発

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インターステラテクノロジズ(株)
言わずと知れたホリエモンロケットです。早く実用化されるといいですね。

intersteller.png


スペースワン(株)
固体燃料3段式ロケット。21年に事業化を目指すそうです。(スゴイ!)

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日本の民間企業もがんばっていますね。スペースXよりも遥かにコストが安い宇宙輸送機が実現できるのも時間の問題かもしれません。がんばれー日本!😄



■ ロックーンは再発明されないの?
再利用ロケットもいいですけど、個人的には超小型衛星打上用の気球型空中発射ロケット(ロックーン)がまた注目されるんじゃないかなと思っています。

戦後すぐに高価なロケットに変わるものとして考案されたものです。ヴァン・アレン帯の発見に貢献するなど当時でもそこそこ使える技術でした。


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時は流れて現代。気球はさらに丈夫で軽くなり、当時よりも遥か高高度まで到達できます。また機器は精密・高性能になり小型軽量のロケット・衛星でも十二分な能力を発揮できる時代になりました。

ロックーンなら、JAXAのLNG推進系も活躍できるでしょうし、繊維・縫製の技術は日本はトップクラス。日本なら高性能のロックーンが出来上がる気がします。大規模な発射場とかいらないし、数百万円程度で小型衛星が打ち上がるようになったら世界は変わるでしょうねぇ。😁
(^^)/~



(追記)
少し調べてみたら、ロックーンは欧州のESAが力を入れているようですね。エンジンにLPGガスを使うという発想まで同じ!おぉ、単なる思いつきの割にはいい線いってるじゃん。

機体価格は数百万とはならず、2億円程度なのでまだまだ高いですが、ロケットに比べれば桁が違います。運用がうまくいけばもっと安くなるでしょう。JAXAもチャレンジして欲しいなぁ。



https://news.yahoo.co.jp/byline/akiyamaayano/20181118-00104617/





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コメント 3

robotic-person

JAXAは宇宙科学研究所(ISAS;再使用・観測ロケットの研究を実施)、航空宇宙技術研究所(NAL;イプシロンロケットにつながるM-Vロケットを開発・利用、再使用型輸送システムの研究)、宇宙開発事業団(NASDA;H-IIロケット等)の3機関が2003年に統合されましたが、2003年の打ち上げから始まった情報収集衛星のために予算が圧迫される状態も・・。異なる組織の一本化、政策の影響が今日の日本の宇宙開発の現状に強く影響されていることを実感させられますね・・
by robotic-person (2020-06-03 08:34) 

ys_taro

robotic-poersonさん、いつもコメントありがとうございます。
JAXAも色々なバックグラウンドをもつ組織が一緒になったので、研究テーマにもそれぞれの組織の色が出ているのですね。しかし、再使用ロケットに関してはイマイチやる気がないような…。やはり少ない予算を投入するとなるとH3とイプシロンに集約されるみたいですね。日本政府も技術立国を標榜するなら、こういう夢のある分野にもっと投資してくれればいいのに…。
by ys_taro (2020-06-05 00:39) 

robotic-person

チェックが疎かで、ISASとNALの説明が逆でした m(_ _)m
宇宙科学研究所(ISAS;イプシロンロケットにつながるM-Vロケットを開発・利用、再使用型輸送システムの研究)、航空宇宙技術研究所(NAL;再使用・観測ロケットの研究を実施)に訂正させていただきます。
by robotic-person (2020-06-05 06:04) 

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